12月21日公開の「永遠の0」(山崎貴監督、百田尚樹原作)で、海軍航空兵・宮部久蔵を演じる。
時は現代。実の祖父・宮部の存在を知った佐伯健太郎(三浦春馬)は、宮部のかつての戦友を探し訪ねるが、耳にするのは「あいつは海軍一の臆病者だった」という話ばかり。秀でた操縦技術を持ち生きることに固執した祖父が、なぜ特攻を志願し命を落としたのか……。過去と現在を行き来しながら、次第にその謎が明かされていく。
撮影前に軍事訓練や座学など入念な準備をした。自身は格闘技をたしなみ、人を傷つける技術を学ぶ意味を自問してきた。しかし元特攻隊員からは、自分が思い描いていた「辛い経験」だけではなく、仲間との楽しい思い出も数多く聞いた。戦うことの悲しさと、生きる中での美しさや喜びなどを出そうと思ったという。
戦争を経験した人たちも納得できるような作品に、という責任感が常にあった。また愛憎こそあれ、命をかけた時を過ごした戦友役の山本學や田中泯、故・夏八木勲ら名だたる俳優陣が思い描く宮部を、自分はうまく演じられているのだろうかとも考えた。眠れない夜もあったという。
そうして迎えた関係者のみの試写会でのこと。作中で重要な役を果たした田中が近付いてくると、親指をぐっと立て「宮部、良かったね」とだけ言って帰っていった。
様々な見方のできる時代だからこそ、幅広い世代に見てもらいたいという。「見終わった翌日も考えてもらえる作品になるといいなと思います」
12月21日(土)全国東宝系ロードショー。
取材・文/小森風美
衣装/エディフィス
プロフィール
おかだ・じゅんいち
1980年大阪府生まれ。95年、アイドルグループ「V6」のメンバーとしてデビュー。12月21日公開の「永遠の0」に続き、来年は1月5日に始まるNHKの大河ドラマ「軍師官兵衛」に黒田官兵衛役で主演。