読んでたのしい、当たってうれしい。

今月の人

錦戸亮

巧みな話術で心を癒やす
怪しげな狩衣姿の占師

 放送中のドラマ「よろず占い処 陰陽屋へようこそ」では、主人公の占師、安倍祥明(あべのしょうめい)を演じている。

 東京・王子の商店街に現れた、狩衣(かりぎぬ)姿の占師。霊能力はゼロだが、元ナンバーワンホストという経歴の持ち主だ。周囲から怪しまれながらも、巧みな話術で相手の悩みを言い当て、いつの間にか心まで癒やしてしまう。「占いという枠組みを上手に利用して、人の悩みを解決する。こんなことができるなんて、思いもしませんでした」

 毎週、訪れる人の悩みを解決する1話完結型のストーリー。少しずつ明らかになる祥明の過去や、彼に反発を覚える只野路子(倉科カナ)、沢崎瞬太(知念侑李)ら、周りの人々との関係など、後半の展開も気になるところだ。

 自身はというと、「占いにはさっぱり疎いんです、おみくじもひいたことないくらい」ときっぱり。それでも「朝のテレビ番組で星占いが流れると、思わず見てしまう。自分の星座はなんとなく気になりますよね」。

 祥明は占いを「当たるも八卦(はっけ)、当たらぬも八卦」と言うが、「朝一番で自分の星座が1位だったら、一瞬でもうれしいじゃないですか」。悩みや問題をあっという間に丸くおさめ、解決に導く祥明は、「身近にいてほしい存在」だという。

 今月、29歳の誕生日を迎えた。20代最後の一年間について思いを尋ねると、「歳なんてどうでもいいですよ」と笑った。「20代、もうやりたいことは、やり尽くしました」と気負う様子も見せず、あくまで自然体。もしも祥明が存在したら、そんな錦戸の将来をどんな風に占うだろうか。

取材・文/渡辺鮎美


プロフィール

にしきど・りょう
1984年、大阪府生まれ。関ジャニ∞のメンバー。「パパドル!」「県庁おもてなし課」などドラマや映画にも出演。来年2月には主演の映画「抱きしめたい」が公開予定。

(2013年11月12日、マリオン・ライフ、マリオン・プレゼント掲載記事から。記事・画像の無断転載・複製を禁じます。商品価格、営業時間など、すべての情報は掲載時点のものです。ご利用の際は改めてご確認ください)

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