10月19日公開の映画「人類資金」(阪本順治監督・共同脚本)は、旧日本軍の財宝を元に、秘密裏に運用されてきたと噂される「M資金」がテーマ。
佐藤演じる主人公の真舟は、M資金での融資を持ちかけ、企業などから手数料をだまし取る詐欺師。そんな彼の前にある日、「M」を名乗る男の使者(森山未来)が現れる。「M資金を盗み出してほしい」。物語は、国境を超えたマネーゲームに発展する。
ニューヨークの国連本部を皮切りに、ロシア、タイ、日本でロケを敢行。厳しいスケジュールだったが「天が味方してくれました」。ロシアでは晴天が続く中、数時間だけ降雪が。狙い通り、雪の街に降り立つシーンが撮れた。タイでは撮影用のジープがアクシデントで川に突っ込むも、「ぜいたくなオブジェ」として使われた。
「M資金」を語る詐欺事件は、現実に繰り返されてきた。「作品には、資本主義やお金への価値観に対する問いかけがちりばめられている。でも、中途半端な告発ドラマにするより、エンターテインメントにして正解」ときっぱり。息を飲むアクションシーンは、見どころの一つだ。「この年になって、車から車へ飛び移ってくれって言うんだから」と、20年来の付き合いがある阪本監督からの注文を、笑いながら振り返る。
真舟の行動の背景となる当初の設定は、「ほとんどそぎ落とされた」という。だからこそ、M資金を巡る争いに巻き込まれる中で、真舟が突き動かされた〝何か〟は、「作品を観て感じて頂きたい」。
取材・文/河瀬久美
撮影/篠塚ようこ
プロフィール
さとう・こういち
1960年東京都生まれ。80年、ドラマ「続・続事件」でデビュー。今年9月に公開された映画「許されざる者」、10月19日公開の「人類資金」に続き、11月9日公開の「清須会議」に出演。
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