朝井麻由美さん
「スパ吉」の極旨ミートソース納豆トッピング 大学生の時に高校時代の友だちと久しぶりに東京・吉祥寺で会ってミートソースが食べたいと思ってブラブラ歩いていて入ったのがスパ吉。
「スパ吉」の極旨ミートソース納豆トッピング 大学生の時に高校時代の友だちと久しぶりに東京・吉祥寺で会ってミートソースが食べたいと思ってブラブラ歩いていて入ったのがスパ吉。
生まれは東京・赤坂。家から徒歩5分の一番近いおそば屋さんで、子どもの頃からよく行きました。「天ざる」は、小エビと貝柱のかき揚げが入った濃いおつゆに、おそばをほんの少しだけつけて食べます。おそばはちょっと色がついた「もり」と、私の好きな白い「ざる」の2種類。コシがありながらも硬すぎず、シンプルで邪心のないスマートなおそば。子どもの頃の印象って強くて、だから私にとっておそばと言えばこの味です。
父も母もお酒が好きで、おそばの前におつまみや「玉子やき」を頼みました。そばつゆのだしが入っていて、母が家で作る卵焼きとは別の、外の卵焼きの基本の味。手元でやれるパズルを持ち込んで、おそばが出てくるまでの長い時間を過ごしていましたね。
最近は近くの氷川神社にお参りする際に寄ることが多いです。メニューもおそばやおつゆの味も内装もたたずまいも、全然変わってない。赤坂のあの周辺は昔は住宅街で、何もかもが激しく変わりました。その中で一つだけ、奇跡のように変わらないお店です。
◆東京都港区赤坂6の3の5(TEL03・3583・7670)。
1600円、玉子やき650円。
午前11時~午後8時((土)は7時半まで、ラストオーダーは30分前まで)。
(日)(祝)休み。
さとう・たかこ 作家。
近著に「明るい夜に出かけて」(新潮社)や、6月に発売した「シロガラス第5巻 青い目のふたご」(偕成社)など。