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女優、タレント、司会者、エッセイスト、ユニセフ親善大使などあらゆる顔を持ち、博識でありながら愛らしい人柄が広い世代から支持を集め、今もなおその姿をテレビで見ない日はない黒柳徹子。そんな彼女が今から約80年前、第二次世界大戦が終わる少し前の激動の時代を背景に、自身の幼少期を自伝的に描いた「窓ぎわのトットちゃん」。1981年に出版され日本累計発行部数800万部を突破し、さらに世界各国でも中国語、英語、フランス語、ヘブライ語など20以上の言語で出版され、世界累計発行部数は2,500万部を突破。日本のみならず、海を越えて多くの国で愛される世界的ベストセラー作品が、この冬、ついにアニメーションで初の映画化となることが決定!
何事にも好奇心旺盛でお話好きな小学一年生のトットちゃん(=黒柳徹子)が、落ち着きがないことを理由に通っていた小学校を退学になってしまい、東京の自由が丘に実在した<トモエ学園>に転校することから物語が始まる。大人の読者たちが驚くほど強烈なトットちゃんの個性と思わず笑ってしまうおちゃめな日常生活。まだ多様な個性が認められていない当時としては珍しい、子どもの自主性を重んじる教育を掲げた<トモエ学園>の、ユニークな校風と恩師となる小林先生や友人たちとの出会いに誰もが「こんな学校に通ってみたかった!」と思わずにはいられない数々のエピソード。読者からは「読みどころが多すぎて話が尽きない」と言われるほど、読み返すたびに新たな発見がある物語。
その魅力的な物語にこれまで数々の映画化オファーが届くも「読者の頭の中にあるイメージを壊したくない」という黒柳の考えもあり、映画・テレビドラマ・アニメなど全ての分野において映像化が実現することは一度もなかった。そんな中、偶然にも原作が出版された年に生まれた「劇場版ドラえもん」シリーズで数々の大ヒット作品を世に送り出してきたアニメーション監督の八鍬新之介が原作に惚れ込み、アニメでの映画化を黒柳本人に直接オファー。当初は黒柳に戸惑いがあったものの、イメージボードを手に何度も黒柳のもとを訪れ説得を重ねた八鍬監督の熱意が届き、「アニメであれば原作を愛するファンの方々も喜んでくれるかもしれない」と快諾。原作出版から40年の月日を経て奇跡の映画化が実現。
制作を手掛けるのは「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」シリーズを始めとする国民的アニメ作品から、日本アカデミー賞にも輝いた映画『河童のクゥと夏休み』(07年)や、熱狂的なファンを生み出したTVシリーズ「PUI PUIモルカー」(21年)など、いつの時代も人々の心に響くアニメーション作品を届けてきたシンエイ動画。そしてトットちゃんを始めとしたキャラクターデザインを担当するのは金子志津枝。「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」シリーズでキャラクターデザインや原画を担当した金子は、水彩画のような優しいタッチながらも、生き生きとした子供たちを描くことでは右に出る者はいない圧倒的な実力を持つアニメーターだ。日本アニメ界におけるトップクリエイターたちが集結して、この珠玉の名作の映画化に挑む。
現在本編は2023年冬の公開に向けて絶賛制作中。トットちゃんの愉快な日常を通して見えてくる、日々のささやかな幸せ、個性の豊かさ、恩師からの教え、家族・友人への深い愛情。世代や国を問わず、世界中の人々の心を動かした不朽の名作「窓ぎわのトットちゃん」の温かく美しくそしてちょっぴり切ない世界が、実力派クリエイター陣の熱意によって、アニメーションとして蘇る。この冬、トットちゃんが日本中に感動と愛情を届ける!
<スタッフコメント>
◆黒柳 徹子/原作
1981年に「窓ぎわのトットちゃん」を書いたあと、ものすごくたくさんの映画監督から映画にしたいと依頼がありました。よく冗談で言っているのですが、あの黒澤明監督以外のほとんど全ての映画監督から、ありがたいことにお手紙をいただいたのを今でも覚えています。ただし、本を読んでくれた皆さんの頭の中にある映像の方が良いものなんじゃないか? と思って全てお断りしてきました。そうしたら今度はアニメーションでどうですか?という話で…笑。それであれば若い方々がご覧になっても楽しめるかもしれないと思いました。今でも本屋に行って置いてあると聞くと嬉しくなりますし、本を読んだ子どもたちの感想を聞くのが楽しみです。最近は世界情勢がいろいろ変わってきているので、この映画を観た若い世代の皆さんに「面白かった!」と思ってもらえるといいなと思います。
◆八鍬 新之介/監督・脚本
映画化を企画したのは2016年。シリアでは化学兵器によって子どもたちの命が、国内では相模原の障がい者施設で多くの命が奪われました。そのような暗い出来事に触れる中で、アニメーションを通して社会に貢献できることはないだろうかと考えるようになりました。そんな時に出会ったのが『窓ぎわのトットちゃん』です。そこには「生と死」「戦争と平和」「思いやりと差別」など、相反するテーマが雄弁に語られていました。それも、世界中の誰もが理解することができる瑞々しい子どもの言葉で。この瑞々しさをそのまま映像化して世界中に届けることができたなら、今よりほんの少しだけ社会が明るい方向に進むかもしれません。どうぞお楽しみに。
2023年冬全国東宝系ロードショー