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草笛光子演じる浪費家の姑、後藤芳乃が夫婦で経営していた和菓子屋・和栗堂の守り神であった大きな招き猫にちなみ、招き猫縁の地である浅草・今戸神社にて、9月28日(火)に天海祐希、草笛光子、新川優愛、毒蝮三太夫、そして映画本編でも実際に使われた大きな招き猫も参加して、映画の大ヒット祈願を行った。
厳かな雰囲気の拝殿内で、神職の祝詞とともに深くお祈りをした一同は、晴れやかな境内に場所を移し詰めかけた報道陣の取材に応じた。
天海は「(新川さん演じる)自己主張の強い娘や、(草笛さん演じる)強力なお義母さま、楽しい家族と頑張っている主婦を演じました。すごく素敵な方向へ話が進むHappy!な映画が完成して、少しでも安心して映画館に足を運んでいただけるように、ということで公開を1年延期して、いまも大変な最中ですが少しでもこの映画でHappy!な気持ちになって頂けたらいいなと思っています。大ヒット祈願もやっていただいて、ぜひ沢山の方に観ていただけますように、と心の底からお祈りして参りました。」と、氷川きよしの歌う主題歌のタイトル「Happy!」にもかけて挨拶。
新川は「先輩方と一緒で今も緊張しているんですけど、撮影現場でもみなさん優しく話しかけてくださったので、すごく楽しく参加させて頂いて、笑いの中にウルっときたり、ハートフルな物語になっているので楽しんでいただきたいです。」と続けると、毒蝮は「私は敵のような役なのですが、この難しい時代にとても軽妙な、フランス映画の味もする大喜劇を撮られて、そこに参加できてとても嬉しい。天下の草笛さんに『ババア!』とセリフを言ったのは本当に気持ちよかった(笑)。このコロナ禍で、いちばん効くワクチンがこの映画です!」と力を込めた。
過日、88歳の米寿をむかえ地元からお祝い8千円が贈られたという草笛は「こうやって元気に生きられていて、皆さんとこうしてお仕事が出来て、今が最高に幸せな時です。酷い顔で、かき回しているような役で、出来れば観ていただきたくない私が出ています(笑)。最初は、私には出来ませんと言おうと思ったら、監督に生まれて初めて『あなたは何もしないでもおかしいから』と言われて、私の女優としての考えを変えようと思いました。そういう風に撮ってくださった監督に今では感謝しています。おかしくって、涙ぐましくて、楽しい何かを感じていただけたら」と芸能生活70年を超えてなお新たな境地を披露した本作への想いを語り会場を沸かせた。
天海、草笛、毒蝮が揃ったシーンの撮影では、毒蝮の演じる頑固おやじのような役に草笛が変装する設定で、さらに本番中に草笛の歯が本当に抜けてしまったようで、草笛が「70年やってきましたけどこんなの初めてなんです。歯が抜けて、変装もして一番醜い顔がスクリーンでアップになるなんて死んだほうがマシだと思ったんですけど、撮らせてあげちゃった!」と茶目っ気たっぷりに明かすと、天海が「嫌だったと言われてますけど、もういいわよ別にこれで、と腹をくくっておっしゃられてました。こらえられなくて『一回笑わせてもらっていいですか?』とお願いして、思い切り正面から笑わせていただきました(笑)」と重ね、毒蝮も「今回草笛さんと共演したのがそういう姿のときだけで、いつもの綺麗な姿を見ていなかったので、汚いババアだな!というインパクトだけで終わってしまった(笑)」とさすがの毒舌全開で盛り上げ、草笛もすかさず「ジジイよ!(笑)」とつっこむ一幕も。
新川はこの作品を経て、「一人娘なので、親に何かあったときの準備はしていたいのですが、積み立てを増やしました」とまさしく親の老後の資金を考えて行動していることを明かしたり、さらに毒蝮が「日本が抱える高齢化や資金の問題に、この映画がとても参考になるんじゃない?天海さんと草笛さんが『ラストダンスは私に』を歌うシーンは感動したし、すごくシャレている!」と作品の魅力をアピールしつつ、「でも、お二人はSKD(松竹歌劇団/草笛の出身)と宝塚(天海の出身)でやっぱりバチバチなの?」と鋭く振ると、天海が「そりゃもうバチバチです!(笑)」と余裕で切り返し草笛と目を合わせながら「2人で楽しく歌わせて頂きましたね!」と振り返ったり、タイトルにある”老後”はいつからなのか、と話が及んた。
天海が「いつから老後なのかわからないので、今が老後と決められる時までぶっちぎって走りたい。すてきな先輩がいらっしゃるのでお手本にして頑張りたい」と力強く語ると、草笛が「私はいまを面白がってますよ、88歳になるのははじめてだから、こうなるんだ!って」と切り出し、毒蝮が「85歳になったけど、元気で歳をとらないと面白くもないし、映画の中でもそれが出ているけど草笛さんみたいな年寄りをたくさん作らないと。」と続けていると、草笛が「年寄り年寄り言わないで!(笑)」と制したりと、丁々発止のかけあいに現場の雰囲気の良さ、息ぴったりな俳優陣の関係性が窺えた。
マスコミからの質問にも快く応じた一同は、いろいろなピンチに立ち向かう映画にちなんで最近起こったピンチを聞かれ、
天海「最近まで連続ドラマをやっていて、ものすごく喋る役だったので毎晩ピンチ!!と思ってセリフを覚えてました」
新川「一昨日まで舞台をやらせて頂いていて、少し忘れてしまったときに頭が真っ白になってしまって・・・自分でも何を言ってどうつなげたのか覚えていない。ピンチでしたね・・・」
毒蝮「自転車が好きで、止まろうとしたら足がつかなくて倒れて起き上がれなくなってしまった。通りかかった方に助けていただきました。」
と切実なピンチなエピソードが語られたり、”老後の心配事”を聞かれると、
草笛「あと何年生きるだろう、人に迷惑をかけない生き方をできれば、と言うのは考えます。夜には一人で居ないようにも」
毒蝮「歳をとると話すことが不得手になったりするので、近所の方と仲良くなって、笑顔はタダなんだから、草笛さんみたいなに明るく素敵にいたほうがいいですね」
天海「まだあまり考えていないんですが、体力が落ちないようにしたいです」
新川「具体的にはまだ考えてはいないですが、人と会って刺激になって若々しくいられるのかな、と思って、人とのつながりはずっと持っていたいです」
と、20代から80代までそれぞれの想いが明かされた。
止まらないやりとりで時間もいっぱいになりながら、最後に改めて、天海が「私たちの想いが詰まった映画が完成しました。一年の延期を経てやっと皆さんにお届けできます。ちょっぴり泣いて、笑ってHappy!になって、皆様への励ましになったら良いなと思っています」と映画をアピール。ついに約1か月後に迫った公開にむけ、意気上がる大盛り上がりのイベントとなった。
10月30日(土)全国公開