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佐藤健「意義のある作品」完成作に手応え!役者を目指すきっかけでもあった阿部寛との共演に歓喜!

『護られなかった者たちへ』完成披露試写会実施!

(C)2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会
(C)2021映画『護られなかった者たちへ』製作委員会
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 「このミステリーがすごい!」受賞作家・中山七里の傑作小説を映画化した『護られなかった者たちへ』の完成披露イベントが実施され、豪華キャスト&監督が登壇した。

 本作は、東日本大震災から10年目の仙台で起きた不可解な連続殺人事件を軸に、その裏に隠された切なくも衝撃の真実を描く、感動のヒューマン・ミステリー。佐藤健、阿部寛、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都、永山瑛太、緒形直人という、豪華演技派キャストの競演も話題となっている。

 映画を観終わった観客の温かな拍手に迎えられ、登場したキャスト・監督。連続殺人事件の容疑者として追われる主人公・利根泰久を演じた佐藤健が「東日本大震災がどれほどの被害と悲しみを我々にもたらしたかは、日本だけではなく世界中の人々が知るものかと思います。実際は震災そのものだけでなく、そこから様々な問題が波及していて、今回はそのうちの生活保護に焦点を当てて撮影をしました。初めて原作を読んだ時に様々なことを教えられました。今の日本に投げかける、意義のある作品になったと思います。」と語る。

 利根を追う宮城県警刑事・笘篠誠一郎を演じた阿部寛が「まさに去年夏にこの作品を撮影したのですが、撮影が出来るかできないか分からない状態のまま、撮影できて、受け入れてくださった宮城の方々にも非常に感謝しています。震災から10年が経ちましたが、いまの社会が抱える、日本の色々な問題がこの作品に盛り込まれていますので、是非受け取ってください。」と、仙台市の保健福祉センターでケースワーカーとして働く円山幹子を演じた清原果耶が「今日こうやって劇場で久しぶりにキャストの皆様と再会できて、そして、お客様に観ていただけることも嬉しく思います。」と話した。

 震災後の避難所で、利根とカンちゃんという少女と出会い、家族のような絆を築く遠島けいを演じた倍賞美津子が「皆さんが色々話してくださり、さらにお客さまも映画を観てくださったので、何も言うことはありません!(笑)帰ったら、是非宣伝されてください!」と、国会議員を務め、若手政治家のホープとして人望も厚い上崎岳大を演じた吉岡秀隆が「本当に困難な日々が続いていますが、困難ではない時代なんてなかったのかな、と、今日は終戦の日であり、考えるところではあります。この映画を過去のものであるとして終わらせないで、少しでもこの国が良くなるように、日々祈りながら、この映画がみなさんの心に刻まれるよう願っております。」と、杜浦市福祉保健事務所の元所長・城之内猛を 演じた緒形直人が「撮影が終わって1年以上経ちます。最初に台本を読んだときにあまりの面白さに興奮しました。なんとか、本以上の表現をしたいと思い、仙台に向かったのを覚えています。

 コロナ禍の中、多くの方に観ていただきたい作品ですので、是非皆さんも宣伝してください。」と、そして、本作を手掛けた瀬々敬久監督が「思い返すと、緊急事態宣言で撮影が中止になり、そこから6月にクランクインすることができました。五里霧中の中で、全く初めての体験として撮影に挑んだのを覚えています。ようやく公開まで漕ぎ着けましたが、今日も大雨で大変ですし、コロナもより一層深まっているのですが、この『護られなかった者たちへ』というタイトルの言葉が、実際のものにならないように、今後もやって行けたらと思いますし、この映画もその力になってくれたらと思います。」とそれぞれ挨拶をした。

 11年ぶりの共演、そして【容疑者】と【刑事】という関係性で撮影に挑んで、お互いの印象に変化はあったかを尋ねられると、佐藤が「阿部さんは、“阿部さん”ですね。(笑)11年前に初めてお会いした時から”阿部さん“でした。『TRICK』が好きすぎて、それがきっかけで役者になりたいと思ったくらいの作品なんですね。堤監督に直談判して、その『TRICK』でご一緒させていただいて、阿部さんがその作品で演じられていたのを今でも鮮明に覚えています。そんな阿部さんと、この作品でさらに深まった役でご一緒できて、非常に嬉しいです。」と話すと、阿部も「11年間、佐藤さんの色々な作品を見ていたので、現場に入った時に集中力、責任感もあって、刑事役だったので、佐藤さんに委ねてやっていて、非常に集中力のある素晴らしい役者さんだなと思いました。」と、感慨深い様子を見せる。

 オール宮城で撮影された本作での印象に残っているシーンを尋ねられると、「私は気仙沼の街並みだったり、漁船が並んでいる風景がすごく好きで、朝早くても空気が澄んでいて、土地も人も温かく迎えてくださったなという印象があります。」と答える清原。倍賞も「ロケをした家は一軒家で、カラスの鳴く声も聞こえて、のんびりとそこの空気を感じながら撮っていたのを覚えています。うどん、おいしかったですよね?すごく食べていたよね?」と、一緒にうどんを食べるシーンを演じた佐藤さんに話を振ると、「すごく食べていました!多分10人前分くらい食べていましたね。(笑)」と佐藤も振り返る。

 『64- ロクヨン-』以来の瀬々組である緒形は「コロナで、梅雨時期だったので、Wパンチで現場は大変そうでしたが、久しぶりの瀬々組はいい緊張感に包まれていて、雰囲気もよくて、テンポよかったですね。」と、現場の雰囲気を懐かしんだ。

 吉岡は、「僕(上崎)が阿部さん(笘篠)に護衛されていて、そこに健くん(利根)が掴みかかってくるシーンがあるのですが、健くんが阿部さんに一瞬にして、マットを超えて突き飛ばされていたんですね。 “やりすぎじゃないですか?”って阿部さんに言ったんですが、“本人が思いっきり来てくれって言ってた”って阿部さんは言うんですよね。でも、2回も3回もやっていて健くん可哀想だなって思ってきちゃったんですけど、健くんの身のこなしとかも見てて、すごい現場だなって思ってました。」と撮影秘話を明かすと、佐藤は「全員あそこまで飛ぶとは思っていなかったです。さすがです。」と苦笑い。つかさず、「どんなにぶつかってもこなしてくれるだろうなっていう信頼感があったので、遠慮せずにやりました。」と話す阿部に、佐藤も「捕まる役なのにそんなに飛ばされるんだとは思いました。(笑)」と突っ込み、微笑みあう佐藤と阿部。

 本作に込めたメッセージを改めて尋ねられると、瀬々監督は「震災の時にドキュメンタリーの手伝いで、避難所である石巻の小学校に行ったんですが、その場所でも、この映画の3人のように出会いがあったり、別れがあったり、どんな悲惨な場所でも人間の生活があるんだなと感じました。その感情をこの映画の中にも託したいとは思っていました。どんな状況であっても人間的な生活を目指していきたいなという思いを託しました。」と力説した。

 印象的なシーンを尋ねられると、佐藤が「今日はいらっしゃらないですが、永山瑛太さん(演じる三雲)に怒りをぶつけるシーンがありまして、そこが印象的でした。理不尽なことに対する怒りや、やるせなさを、作品を通して共感してもらえればなと思っていたので、大切なシーンだなと思っていました。何回もやらせてもらって、いいシーンだったなと思います。」と撮影を振り返る。そんな佐藤の役へ向かう姿勢に関して、瀬々監督も「横にいるので褒めるのも恥ずかしいのですが、(佐藤の役に向かう姿勢が)尊敬しているところでもあり、好きなところですね。」と絶賛。

 阿部は雨の中、林遣都演じる後輩刑事の蓮田共に利根を追いかけるシーンを振り返り、「30年ぶりに全速力で走りました。(笑)1本2~300メートル走るのですが、本当に大変でした。そこから半年間、足が痛かったです。」と会場の笑いを誘うと、「走る距離が長かったですよね。“阿部さん、大丈夫なんですか?”って聞いても、その時は“大丈夫”と言ってたんですけど、時間差だったんですね。(笑)」と振り返る佐藤。阿部は「多分、筋を痛めました。」と会場を沸かせた。

 最後に監督が「実際に宮城で撮影させていただいて、引き受けてくださった宮城の方には本当に感謝しています。そこで見聞きしたことは映画の中に生かされています。先ほど吉岡さんからお話があったように、今日は終戦の日で、今後も皆さんに平和な日々が続いていければなと思います。そして、この映画が皆さんの生活の支えになればと思います。難しい内容に思われますが、エンタテインメントでもありますし、フィクションの面白さもあります。佐藤さん、阿部さんが話したように、この映画も皆さんと一緒に走っていければと思います。」と、佐藤が「僕がこの完成した映画を見たときに、胸に残ったことは、命の重さや命の尊さというよりも、「誰かが、“誰かに生きていて欲しい”と思う気持ち」に一番心を打たれました。大切な人がいるということ、そんな日常の幸せに感謝しながら、皆でより良い国に、より良い生活を目指して、その為にどうするべきか共に考えながら、そんなことを思うきっかけとなる映画になってるんじゃないかなと思っております。たくさんの方に観て頂きたいと思っております。みなさんのお力を貸していただけたら嬉しいです。」と話し、大盛況のまま舞台挨拶は幕を閉じた。

 10月1日(金) 魂が、泣く。

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