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愛媛県にある小さな焼き物の里・砥部町(とべちょう)を舞台に、家族の再生の物語を描いた映画『未来へのかたち』。3月15日(月)、公開に先駆け伊藤淳史・内山理名・吉岡秀隆・橋爪功と大森研一監督が一堂に会し、完成報告会見を開催した。
本作は『瀬戸内海賊物語』や『ポプラの秋』など地域に密着し、人と人との絆を描く作品を数多く生み出してきた大森研一監督のオリジナル作品。オール愛媛ロケを行い、砥部焼の窯元や陶石採掘場での撮影を通して、地域の伝統を守る職人たちの熱い想いも描いている。
新型コロナウイルスの影響で一度は公開が延期されていたが、ようやく公開が決まったこともあり、まず「1年延期になり、もうこの映画を公開することができないんじゃないかと不安に思うこともありました。今日この日を迎えられたということは本当にうれしく感慨深い思いでいっぱいです」と本作の公開を喜んだ主演の伊藤。
内山は「こういう時期になる前に“家族のかたち”をテーマに撮影をしていたんですけど、その時の思いと、今思う気持ちにはやはり変化がありました。公開出来てうれしく思います」と語り、吉岡は「やっと公開ということで安心しています。『未来へのかたち』は良いタイトルですよね!とっても良い作品になっていますので、応援よろしくお願いします!」とそれぞれの言葉で挨拶。橋爪は「卒業と同時に疎遠になってしまったガールフレンドのような、何から思い出せば良いのか」と撮影当時をユーモアたっぷりに振り返りながら「みんなと会っていると、こんなこともあったなと思い出してきた」と懐かしんだ。実際に愛媛県砥部町出身の大森監督は「延期になったことでお待たせした人もいる。今日この日を迎えられてうれしく思います」と晴れやかに、喜びの気持ちを語った。
会場はこの日のために砥部町から用意された、たくさんの砥部焼で盛大に飾り付けられ、完成を祝うかのようにステージを囲んだ。様々な砥部焼と久しぶりに対面した一同は、「可愛い」「これ持って帰っていいの?」とそれぞれに驚きながらも嬉しそうな表情を浮かべた。
本作品で、実際に陶芸に挑戦したことについて聞かれた伊藤は「砥部町は本当に至る所に砥部焼が飾られていて、役作りをする上で当たり前に存在するものでした。これを見て、当時の撮影を思い出しました」と語った。さらに作品内に登場する聖火台について「あのサイズの焼き物はプロの職人さんでも経験のないことで。多くの人が集まって一つのものを作る、という。実際に僕も少しだけ携わらせてもらったんですけど、出来上がるまでにも1年近くかかった」とその苦労についても滲ませた。また自分で作った小さな器を持ち帰ったと言い「子供たちの名前入りのお茶碗を作らせて頂いて、家で使っています」と笑顔を見せた。
今回、吉岡・橋爪との親子役の共演について話が及ぶと伊藤は「橋爪さんは大先輩ですが、合間で楽しくお話をしたり甘えさせてもらえて本当の親子と思っていいのかな、というほどの距離感でいてくれた」と撮影時を述懐。以前にも共演歴があるが親子役は初という吉岡は橋爪について「本当に尊敬しています。撮影の間に橋爪さんが松山の方で朗読劇をやると聞いたので、こっそり内緒で見に行かせて頂きました。役者の年輪というか、まざまざと見せつけられました」と、先輩への熱い尊敬の思いを語った。また伊藤については「弟が心配になる兄の気持ちのようなものを実際に感じながら、可愛いなあと思った」と本当の兄のような暖かい視線を送っていた。
また、本作のタイトル『未来へのかたち』にちなみ、それぞれの「描く未来のかたち=新しくチャレンジしたいと思っていること」を聞かれると、伊藤からは「大切に思っている人、友人知人に改めてメールや電話をして、会わずしてもしっかりと向き合っていきたい」と回答。内山は「ヨガインストラクターをやっていて、ヨガは自分で自分をケアするのですが、すごく自分自身救われて、なのでもっと広めていきたいと思っています。どうやって伝えていこうかを考えています」と、それぞれが新しい生活に向けての思いを吐露。すると吉岡は「みんな立派なこと言うから、、、」と少し言いよどみながらも「僕はパソコンって言おうと思っていました。今持っていなくて、こういう時期なので。チャレンジしてみようかなと」と照れ笑いを浮かべた。
最後に伊藤から「家族の再生の物語です。見終わった後に暖かい気持ちになって、前を向いてもらえる、そんな作品に仕上がっていると思います。1人でも多くの人にこの映画を見てもらいたいです」と本作をアピールし、イベントを締めくくった。
5月7日(金) 丸の内 TOEI、イオンシネマ他 全国ロードショー