新浜レオンさん
「なごみの米屋」のぴーなっつ最中 地元・千葉の名産、落花生が練り込まれたあんが詰まっていて、食べると地元で過ごした時間を思い出します。
「なごみの米屋」のぴーなっつ最中 地元・千葉の名産、落花生が練り込まれたあんが詰まっていて、食べると地元で過ごした時間を思い出します。
「グー」。深夜、どこからともなく聞こえるいびきに似た声。寝室には私1人、他に誰か居るはずもなく……音の正体は腹の虫でした。そんな時に脳裏に必ず浮かぶのがこのみたらしです。
住職ですので、よく和菓子をいただくのですが、何が一番好きかと聞かれたら、49年間、1位はみたらし団子。特にここのみたらしをお客さんからいただいた時は温かいうちに食べたくて、早く帰ってほしい……と思ってしまうほど。
仏教では、偏りがない状態を「中道」といいます。このお団子はまさに究極の中道。団子の硬さ・柔らかさも、たれの甘さも、焼き目も、すべてが「いい加減」、絶妙なんです。私だけの好みかというとそうではなく、これがまたどなたにとっても良いあんばいなようです。
離れて刺さった一玉を頭に見立て、みたらし団子は人間の五体を表している、という説を私は信じています。また、和菓子には朝にできたての菓子を表す「朝生」という言葉もあります。「生」という字が使われるところに和菓子は生き物なのだ、という思いを感じませんか。命をいただく実感をさせてくれるお菓子、人生に疲れたときに、ぜひご賞味ください。
◆京都市左京区下鴨松ノ木町53(問い合わせは075・791・1652)。
3本450円。
午前9時半~午後7時。
(祝)を除く(水)休み。
不定休あり。
みき・だいうん 1972年生まれ。光照山蓮久寺(京都市)の住職。
怪談を切り口にした「怪談説法」を確立し、ユーチューブでも配信中。8月3日「怪談和尚の京都怪奇譚 幽冥の門篇」、5日に漫画「怪談和尚」(いずれも文芸春秋)発売。