大分県北部の宇佐市には、勝負の神「八幡神」を祀る宇佐神宮が鎮座する。今、勝運を呼ぶパワースポットとして注目されるこの街で、絶品の「かちグルメ」を食べてきました。
文・写真/酒井摂
勝運に彩られたまち・宇佐
4万社を超える全国の八幡社の総本宮・宇佐神宮は、奈良時代に聖武天皇の勅願で造立された。年間200万人の参拝者が訪れ、勝運を祈願するプロスポーツ選手の姿もある。昭和を代表する横綱・双葉山は宇佐の出身。前人未到の69連勝の記録を打ち立てた。資料館「双葉の里」では、輝かしい勝利に彩られた大横綱の足跡に触れることができる。
そんな勝運パワーあふれる街・宇佐で、今最も食べる「価値」があり、「勝ち」を招くといわれているグルメが、鶏のから揚げだ。
勝ちグルメを食べ歩く
市内には約30店のから揚げ専門店がある。その数はコンビニを上回り、半世紀以上前に日本初の「から揚げ専門店」ができたという。店では注文を受けるとすぐに、目の前で揚げてくれる。しょうゆやニンニク、ショウガなどをベースにした秘伝のタレでつけ込んだ鶏肉を、高温の油でジュワっと揚げる。カラッと揚がった熱々のから揚げをそっと口にすると、ジューシーな肉汁があふれ出てきた。部位はモモ肉や手羽先はもちろんのこと、砂ずりやなんこつも選べる。
1度に2キログラム買うのはあたりまえ。頻繁に食卓にあがるから揚げは、宇佐の故郷の味だ。2006年にはから揚げを愛する市民の集まり「USA(うさ)からあげ合衆国」が結成した。同国「大統領」の吉武裕子さんは、「店ごとにタレの味が異なるので、から揚げを食べ歩いてもあきませんよ」。
宇佐のから揚げは昨年、B級グルメの祭典・B―1グランプリへの出場を果たした。しかし本場で味わう「かちグルメ」はやはり別格。今年のゴールデンウィークは、宇佐でから揚げを堪能してみては。
宇佐神宮 双葉の里 天下とり からあげ太閤 唐揚げ専門店とりあん 市観光協会 |
大分味一ねぎ
市特産のブランド小ねぎ「味一ねぎ」も、かちグルメのひとつ。料理旅館・菊水旅館では、味一ねぎをメーンに、ハモや備後牛を使った「ねぎしゃぶ」が味わえる。1人3675円~。
【問い合わせ】
菊水旅館(0978・32・0442)。