ふじのくに茶の都ミュージアム
稜線が白く浮き上がる富士山の手前に、緑の3本線で茶畑を表現した。数本の線を組にした「吹き寄せ」の縦じまは、小堀遠州が提唱した「綺麗さび」を意識。
隠されたある文字とは
渋谷区立松濤美術館のロゴマークには、ある文字が隠されている。何の文字か、わかるだろうか?
1981年に開館した同館は、寄贈を受けた国内外の版画や写真、絵画や彫刻などを所蔵。分野を問わず、多岐にわたる展覧会を行う。2014年のリニューアル開館を機に、現在のロゴマークが誕生した。
制作した有山達也さんは、ライフスタイル誌「ku:nel(クウネル)」のアートディレクションや書籍の装丁を手がけており、自然体のデザインが特徴。同館を「小規模ながらも、実直に作られた作品を展示する美術館」といい、その「肌感」を表現したかったという。
有山さんが着目したのは美術館の外壁。白井晟一設計の同館は、外壁にピンクがかった花崗岩を使用している。韓国・ソウル郊外から輸入し、白井が「紅雲石」と名付けた。有山さんはその石造りの外壁をモチーフに、松濤美術館の「松」の字を組み込んでロゴを作った。目をこらすと見えてくるはずだ。
◆松濤美術館 東京都渋谷区松濤2の14の14(TEL03・3465・9421)。原則午前10時~午後6時((金)は8時まで、入館は30分前まで)。4月4日~5月17日、「いっぴん、ベッピン、絶品!」開催予定。5月4日を除く(月)、5月7日休み。