公開中の映画「風立ちぬ」(宮崎駿監督)は、太平洋戦争時の戦闘機「零戦」の設計者・堀越二郎に、小説「風立ちぬ」の作家・堀辰雄を融合した「堀越二郎」の半生を描いた物語。瀧本は、二郎と恋におちるヒロインの里見菜穂子の声を演じている。
菜穂子を、「芯が通っていて、覚悟が定まった女性」と感じた。結核を患い短い余命ながらも、死への恐怖や不安を見せず、気丈に二郎を支える菜穂子に、「声からも、潔い生き方が伝わるようにしたいと思った」という。
質問には、丁寧に言葉を選ぶような、ゆっくりとした口調だが、劇中の菜穂子は少し早口だ。「この時代の女性は、皆早口。意思が定まっているからこそ、スラスラと言葉が出てくるのだと思う」と、菜穂子が生きた時代の映画をみて、話し方をまねた。しかし役作りは、むしろ作り込みすぎないように意識した。というのは、「映像や台本を見た時の直感に従った方が、感情を自然に表現できると思う」からだ。
二郎について問うと、「恋してしまいますよね。夢を追いかけ続ける姿がかっこいい」と笑う。二郎が病床の菜穂子と手をつなぎながら仕事をしているシーンが一番好きだといい、「残された短い時間の中、一生懸命生きている。二人の愛の時間を大事にしていることが伝わってくる場面です」とはにかんだ。
作品を通して、前向きな気持ちが湧いてきて、「背中を押してもらえる」と話す。「菜穂子の、『生きているってすてきですね』というセリフは、今でも心に残っています」
取材・文/山田絵理佳
撮影/篠塚ようこ
プロフィール
たきもと・みおり
1991年鳥取県生まれ。映画「彼岸島」(2010年)でデビュー。全国公開中の映画「風立ちぬ」で、ヒロインの声を務めた。8月30日(金)には、初の主演映画「貞子3D2」が公開される。
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