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<EXO>D.O.主演『スウィング・キッズ』カン・ヒョンチョル監督インタビュー!

2月21日(金)公開!

(C)2018 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & ANNAPURNA FILMS. All Rights Reserved
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 アジア全土で絶大な人気を誇るK-POPグループ<EXO>(エクソ)のメインボーカルD.O.(ディオ)が主演を務める映画『スウィング・キッズ』。本作の舞台は1951年、朝鮮戦争当時、最大規模の巨済(コジェ)捕虜収容所。国籍も身分も異なる寄せ集めのタップダンスチームが、人種や思想・イデオロギーを越え、ダンスで1つになっていくストーリー。『サニー 永遠の仲間たち』(2011)を生み出した、カン・ヒョンチョル監督がメガホンをとった。

 

――さまざまな映画のジャンルに挑戦したいということですが、監督にとって4年ぶりとなる新作に本作を選んだキッカケは何だったのでしょうか?

監督:多種多様な映画を撮りたいと思っていて、『タチャ~神の手~』(2014)のあとには盛り上がれるダンス映画を撮りたいと考えていました。その一方で、自分が生きている韓国は南北に分断された社会。国家・理念という社会的な問題を映画のなかに描きたいとも思っていました。そこで、「ロ・ギス」というミュージカル(注1)を観たことで、一本の映画のなかに、二つの内容を入れられると思い今回の映画が生まれました。

注1.朝鮮戦争当時、従軍記者が撮った“巨済捕虜収容所で仮面をかぶり自由の女神像で踊る捕虜たち”一枚の写真から生まれた2015年の創作ミュージカル。



――長い準備期間を経て完成されたとのことですが、振付や音楽選曲にはどのような流れがあったのでしょうか?

監督:頑張りましたよ~(笑)。ダンス映画を撮るのは初めてだったので、まずはダンス映画の勉強も必要でした。感情や情報をセリフや演技の代わりにダンスで伝えることが大切で、観客が見たときに中途半端なダンスだと思われてはいけませんでした。俳優さんたちは、しっかりと踊れるように努力してくれましたし、それだけ頑張っているのでダンスを際立たせ逃さずみせるために、コンテやストーリーボードを作ってキャスト達の努力を余すことなく見せようと思いました。それに合う曲も選ばなければいけないし、さらに曲から生まれていったシーンを発想して伝えていかなければいけないと思った部分もありました。有機的な作業を経てこの映画が作られました。


――韓国映画では初めてビートルズの原曲使用が認められたとのことですが、フリー・アズ・ア・バードを選ばれた経緯を教えてください。

監督:ラストシーンでは、予想外の展開が描かれます。観客には苦しい感情のままで終わらせたくありませんでした。お互いを憎み合わせた“理念という悪党”がいて、その悪党にダンスで勝った自由な瞬間を見せたいと思いました。映画を観終わったときに記憶に残るのが“理念という悪党”ではなくて、ダンスで自由に踊っていた瞬間を皆さんの記憶に残したいと思ったので、自由を謳歌するという意味で必要な曲がフリー・アズ・ア・バードでした。


――アイドル活動もされているD.O.さんが坊主になったことはファンの間でも話題になりました。外見や言葉遣い以外に、内面的な役作りはどんなお話をされたのでしょうか?

監督:坊主にしたいというのは本人の意思でした。アイドルである人が髪を剃るというのはすごい勇気が必要ですので彼には拍手を送りたいです。D.O.さんとロ・ギスはシンクロ率が高く、ニセモノを持ってきたのではなくD.O.さんのなかにある少年の面だったり反抗する青年の姿だったり、そういうものを引き出してきて役に反映したといえます。


――撮影と同時期に行われていたEXOのツアーでも、ライブのMC中に足元がタップの動きになっていて「あの子はタップダンスに憑りつかれている」とファンの間でも話題になったそうです。監督はご存知でしたか?


監督:『スウィング・キッズ』の撮影が終わったあと、彼はすぐに時代劇の撮影に入りました。撮影現場ではコッシン(花模様の履き物)を履きながらもタップダンスを踊っていました。舞台挨拶で各地をまわっているときも、控室やバスの移動中でも、D.O.さんだけでなく他の俳優さんたちもタップダンスを踊っていました。みなさん中毒になっていたようです。いまD.O.さんは軍隊にいますが、軍隊でも踊っていないか心配です(笑)。

 

――ジャレッド・グライムスさんはD.O.さん入隊のときに、インスタグラムでメッセージを送られていたのが印象的でした。日本にも多くのD.O.さんファンがおりますので、宜しければ俳優仲間・映画業界からも愛されるD.O.さんの魅力を教えてください!


監督:D.O.さんは一緒に仕事をしたからではなく、誰からも愛される人です。スターであるにも関わらず、周りのスタッフや共演している俳優さんたちと友達のように接して皆と親しく出来る人です。彼くらいの年代の人だったらカッコつけたい時期なはずなのに、まだ軍隊に行くまでに時間があったにも関わらず「丸坊主にしたほうが楽です」と言ってくれました。彼は外見よりも内面において素敵なところがたくさんある人だなと思います。したいこと、夢もたくさんある人ですし、現実で成功したということに安住せずに“これからも良い演技を見せたい”と努力を重ねている人、周りの人たちとの関係性も大事にする、とても魅力にあふれた人です。


――D.O.さんとプライベートでも仲良しのイ・デビッドさんは、物語のキーマンになっているかと思います。イ・デビッドさんをキャスティングされた理由を教えてください。


監督:二人がそこまで仲良しなのは知りませんでした(笑)。イ・デビッドさん演じるグァングクは戦争の悲しみを全身で表現する役です。劇中では加害者でもあり被害者でもあるという複雑な立場にいる人物です。少年のような顔立ちですが、悪魔のような怒りを持っているところを表現できる俳優さんを望んでいました。このような難しい役が出来る俳優さんはなかなかいません。イ・デビッドさんなら出来ると思いお願いしました。この二人は共演作が多く、現場でも一緒にいることが多く、地方の撮影でもゲームをしたりして仲良く過ごしていました。イ・デビッドさんのこともたくさん愛してくださ~い(笑)。


――個人的な話になってしまうのですが、私もD.O.さんの大ファンで2018年末にイルサンとチョンバルサンに監督とキャストさん舞台挨拶付きの上映に行かせて頂きました。ファンにとって本作は宝物のような作品になると思っております。日本で公開を楽しみにしているファンの方にメッセージを頂けたら嬉しいです!


監督:あぁ~どおりでどこかでたくさんお会いした方だと思いました(笑)。監督は第一次の観客です。どうしたら観客が好きになってくれる映画を撮ろうかというよりも“自分が好きな映画を撮る”そういう気持ちで映画作りをしています。それは、伝わるときもあれば伝わらないときもあるかもしれませんが、そんな思いを作品のなかで感じて欲しいと思っています。
映画を観るときは色々な考えで選択しますよね?なにも考えずただ笑えるだけのアクション、感情に浸りたいときはメロドラマやラブストーリーを選ぶことがあるかと思います。この『スウィング・キッズ』はダンスで盛り上がって大いに笑って、でも終わるときには余韻を残してくれる映画なので、そういう映画が好きな方はぜひ観て欲しいです。D.O.さんファンにも観て欲しいです。


★☆★

 2月21日(金)シネマート新宿 ほか全国ロードショー。

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 [取材・提供:シネマNAVI]

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