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『影裏』綾野剛、松田龍平、大友監督登壇 完成披露試写会実施!

節分の豆まきで大ヒットを祈願!

(C)2020「影裏」製作委員会
(C)2020「影裏」製作委員会

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 NHK大河ドラマ「龍馬伝」、『ハゲタカ』、『るろうに剣心』シリーズ、『3月のライオン』等、日本映画界に新たな挑戦をし続けている大友啓史監督の最新作であり、日本映画の傑作との呼び声も高い『影裏』。1月30日(木)、本作の完成披露試写会を実施し主演の綾野剛、松田龍平、大友啓史監督が登壇した!

 原作は、沼田真佑氏による第157回芥川賞受賞作である同名小説。大友監督が惚れ込み、自ら映画化へと動いたその情熱に応え、日本映画界を代表するキャストが集結。主人公・今野を演じるのは、『そこのみにて光輝く』『怒り』『日本で一番悪い奴ら』などで、数々の映画賞に輝き、映画・ドラマ・音楽と様々な分野で躍進し続ける俳優・綾野剛。今野と強い絆で結ばれながらも突然姿を消す謎の男・日浅には、『御法度』で鮮烈なデビューを飾り、以後、エンタテイメント作品から作家性の高い作品まで話題作に出演、強烈な印象を残し続ける俳優・松田龍平。加えて、國村隼、筒井真理子、中村倫也、永島暎子、安田顕など、錚錚たる実力派キャストが脇を固める。

 完成披露試写会には、主演、今野秋一役の綾野剛、共演の日浅典博役の松田龍平、メガホンを取った大友啓史監督が登壇。本作の原作「影裏」は芥川賞を受賞した小説で、受賞前に原作と出逢い魅了された大友監督渾身の1本。「シンプルに言うとこの小説は、説明が少ないながらも優麗な文章で、行間が豊かで、その行間から読み取れる登場人物たちの感情の埋蔵量がもの凄いんです。この渦巻いている感情を丁寧に切り取っていけば映画になるだろうと思って、動き出しました。」と自ら映画化を熱望した理由を明かす。監督の熱烈なオファーにより出演が実現した綾野は「大友さんとまたご一緒できることが、素直に嬉しかったです。そして大友さんの地元が舞台の、大切にされている原作をお預かりして、映画化するという事が光栄でした。龍平君としっかり共演するのも初めてだったので、楽しみが溢れていたことを覚えています。」と喜びを語る。また松田も「『ハゲタカ』以来、大友さんとお仕事をするのが本当に空いていたので、ずっと一緒にやりたいなと思っていました。このタイミングでご一緒出来たことに意味があるなと思うし、実りのある豊かな撮影でした。」と当時を振り返る。大友監督は「とにかくこの二人と一緒に仕事がしたかったし、原作を読んでいる最中に二人の顔が浮かんできたんです。もう他の人では考えられなくなりました。綾野君、松田君じゃなければ撮っていなかったと思います。」と二人に対する熱い想いを吐露する場面も。

 今回の役作りについて二人が尋ねられると綾野は「全編盛岡で撮影ができたということが最大の役作りになりました。現場に行って、その土地、環境、協力してくださる盛岡の皆さんと共に創作していく作業は映画の醍醐味だと思いますし、ワンチームだなという姿勢を最後まで駆け抜けるためにやり続けていたような気がします。この映画は個の力を発揮するよりも、集団の力を紡いでいくほうがが大切だなと思っていて、映画を観ていただければチームが結実していたことが伝わると思います。」と撮影に臨んだ模様。

 松田は「準備というと、方言と釣りですかね。セリフは書かれていないけど二人で何かをしているというシーンが結構多かったんですが、ぱっとアドリブが浮かんでも、方言に変換できずに言えないことが多々あったんです。なので前もって言いたいことを準備して胸に閉まっておいたり、いざ出そうとすると忘れたりと大変でしたが、方言は温かくて、自分でも言いながらほっこりしていました。」と、撮影時の苦労を明かした。

 大友監督は何か二人に演技指導したかと問われると、「特にないんです。無事に現場へ二人がきてくれさえすれば、場の空気とキャッチボールをしながら、感じながら演じてくれるんです。キャスティングの時点で、この二人を観察して撮れば何かかが産まれると思っていて、この二人のドキュメンタリーを撮ろうという気持ちでした。逃さず観察して記録していく。当たり前のことを当たり前にやっていくだけでした。」と絶賛。本作がいかに自然な表情を捉えていたことが分かります。綾野は「美術部などスタッフの方々が、僕たちがお芝居をするステージを、ただ佇んでいるだけでも成立する環境として作ってくれたのが大きかったです。」と感謝も伝えた。

 本作の『影裏』というタイトルに絡めて、“実際の裏側は違っていた”というトークテーマに移り、大友監督は「裏表があるという事ではないんですが、撮影前に俳優と会うと、映像で見ているのと全然違うイメージを受けるんです。電波や映画での一面はあくまでイメージで、一人一人と話していくと全然違うものを発見できる。仕事をする前は、なるべく本人と色々な話をして自分が何を感じるか、相手が何を感じているのかを知ることが大事です。俳優と話していくと触発されることが沢山あるし、どちらが裏か表かは分からないけど、今まで表に出ているイメージとは違った、裏側を撮りたいという気持ちが沸いてきますね。」と俳優に対するこだわりを語った。

 松田は「僕の話はくだらないんですけど、この間スーパーに行って美味しそうなイチゴを買ったんです。お皿に盛って食べようと思ったら、パックの下に詰まっていたイチゴが全部、野いちごみたいなサイズで。ショックを受けながらも、『まあそうだよな、安かったし…』って思ったんですけど、食べてみると小さいイチゴの方が美味しかったんです!」とイチゴパックの影裏を満足げに明かすと、会場からは温かい笑い声と拍手が沸き起こります。綾野は「龍平は一見、朴訥としていて掴みどころのない印象なのに、実はチャーミングで可愛らしい人ですよね!」と松田に対する影裏を述べた。

 さらに、もうすぐ2月3日の節分ということで、豆まきを実施!日本では大豆をまく地域がほとんどだが、岩手や東北地方ではなんと落花生をまく風習が!会場の皆さんの幸福と、本作の大ヒットを願って登壇者が落花生をまき、観客と一同「鬼は外、福は内!」の声が響き渡った。

 最後にこれから映画をご覧になる方々に向けて、「この映画は、色々な世代の方、それぞれによって抱く感想が多様になるかと思います。この映画はそんな皆さんの感想を頂いて、初めて完成します。皆さんに観ていただいて、色々な感想をいただいて、共犯になっていただきたいです。是非、この映画を可愛がってください。宜しくお願い致します。」(大友)、「今日はありがとうございました。『影裏』というタイトルがどういう意味を持つのか、僕も未だに考えるんですが、色々な感情が残る重厚な人間ドラマになっています。是非、映画館でご覧ください。」(松田)、「本日はありがとうございます。これだけの方にこの作品が抱きしめられていることを考えると、胸が熱くなる思いです。本作は2009年から2014年を描いており、その中には愛おしいこと友情、青春、胸が締め付けられるような苦しいこともこの映画にはしっかり映っています。今年は2020年、オリンピックイヤーですが、僕たちは忘れてはいけない記憶があると思っていて、その記憶をもう一度改めて想像し直したいです。想像は許されるその先に、この作品を紡いでいき、皆様の中で残り続けるように引き継いでいきたいです。2020年以降も生きるこれからの若者や、希望のある子供たちに向けて、日本全体が受け止めていきながら、影裏ではないその先の、影裏を産む光を照らしていけるような、作品になればいいと思っています。」(綾野)とそれぞれメッセージを贈り幕を閉じた。

 2月14日(金) 全国ロードショー

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