新訂万国全図 東半球・西半球(写)
日本が中央に。江戸の最先端世界地図。
大小様々な石器、貝殻のビーズ。ケニアやヨルダンの遺跡から発掘された約8万年前~1万5千年前のものだ。
人類の進化の主要な舞台となったアフリカでは、様々な理由から遺跡発掘が難しく、とくに日本人主体の調査はまれだという。名古屋大学考古学研究室が1968年から80年代にケニアなどで発掘したこれらの石器は、国内では貴重な標本と言える。
石器は時代が下ると小型化し、狩猟の道具がやりから弓矢へ変わったことを示す。貝殻のビーズは紅海や地中海などから200キロ近く内陸の遺跡で見つかることもあり、離れた土地に住む人々の、物を介した交流をうかがわせる。
現生人類がアフリカからユーラシアへ拡散した出発点のヨルダンなどで遺跡調査を行う同大学博物館講師の門脇誠二さんは「環境によって作る道具も人との交流の仕方も異なります。環境にどう適応していたのか、文化の多様性に興味があります」と話す。